安心・安全な自動車向け先進ブレーキシステム
1953年より当社は、四輪車および二輪車用ブレーキシステムの専門メーカーとして事業を展開してきました。ブレーキは、数万点に及ぶ自動車部品の中でも、特に「人命に関わる重要保安部品」として位置付けられており、その重要性は非常に高いものです。ブレーキといえば、一般的に車両を「止める」ための機能として認識されていますが、当社が提供するブレーキシステムは、車両の基本的な動作である「走る」「曲がる」「止まる」の全てのシーンにおいて有効な機能を有しています。さらに、当社は先進技術の導入により、従来の機械制御から電子制御へとシステムを進化させてきました。この技術革新により、燃費改善や環境保全への貢献が実現され、より持続可能な社会の実現にも寄与することで、世界中のお客様へ、安心と安全を提供し続けています。
回生協調ブレーキシステム
当社の回生協調ブレーキシステムは、環境負荷の低減と車両の運動性能向上を目的として開発された先進的な技術を搭載したブレーキシステムです。従来のブレーキシステムは、車両を停止させる際にエネルギーを熱として放出していましたが、回生協調ブレーキシステムは、ブレーキ時に発生する運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、車両のバッテリーに再充電することができます。このエネルギー回生技術により、燃費の向上と環境への配慮が実現され、CO2排出削減にも貢献しています。
電動車両（EV）やハイブリッド車（HV）において、その特性を最大限に活かすことができるため、未来の自動車技術における重要な役割を担っています。世界中のお客様に安全で快適な走行を提供し、よりクリーンで効率的な未来の自動車技術を支えています。
ブレーキマスターシリンダー
ブレーキマスターシリンダー（以下BMC）は、車の「止まる」を支える中核部品です。ドライバーがブレーキペダルを踏んだ力を油圧に変換し、その力をタイヤのブレーキに伝えることで、安全な減速や停止を実現します。
当社のBMCは、機械設計と油圧制御技術を組み合わせ、高い信頼性と応答性を実現しています。また、ABS（※1）やESC（※2）といった車両制御システムとの連携にも対応し、あらゆる運転状況でも安定した制動力を提供します。
「安全を守る確かな技術」として、運転者と乗員の命を守るために欠かせない存在です。私たちは、この技術に誇りを持ち、より信頼性の高いモビリティ社会の実現に貢献しています。
※1：ABS（アンチロック・ブレーキ・システム）・・・急ブレーキ時にタイヤがロックして路面を滑るのを防ぎ、ブレーキの圧力を自動で調整するシステムです。これにより、滑りやすい路面でも車両の安定性を維持し、ブレーキ操作中に方向を失うことなく安全に停止できるようになります。
※2：ESC（電子制御スタビリティ・コントロール）・・・車両のスリップや失速を防ぐために、車両の動きを監視し、必要に応じて個別のタイヤにブレーキをかけたり、エンジン出力を調整しするシステムです。特にカーブや急な操作時に車両の安定性を回復し、滑りやすい路面でも安定した走行を維持することで、事故を未然に防ぎます。
クラッチマスターシリンダー
クラッチマスターシリンダー（以下CMC）は、車の「動力をつなぐ・切る」を支える重要部品です。ドライバーがクラッチペダルを踏んだ力を油圧に変え、スムーズなギアチェンジと動力の切り離し・接続を実現します。発進・停止・シフトチェンジといった多様な運転シーンにおいて、正確で安定したクラッチ操作を支えます。また、クラッチシステム全体の信頼性向上にも貢献し、長期間にわたる安心の走行性能を提供します。
プロポーショニングバルブ
プロポーショニングバルブは、車の「安全に止まる」を支える重要な油圧制御部品です。ブレーキをかけた際、前後の車輪にかかる制動力のバランスを適切に調整し、車両の安定性と安全性を確保します。制動時には、車両の荷重移動によって前輪に大きな力がかかりやすくなりますが、プロポーショニングバルブが後輪へのブレーキ圧を制御することで、後輪のロックを防ぎ、安定した制動姿勢を保ちます。
ヒルストップバルブ
ヒルストップバルブは、坂道発進時の「ずり下がり」を防ぐための補助装置です。ブレーキペダルを離した際に、一定時間ブレーキの油圧を保持することで、車両の後退を防ぎ、スムーズで安全な坂道発進をサポートします。
発進時の操作負担を軽減し、後続車との接触リスクを低減することで、ドライバーの安心感と安全性を高めます。また、商用車や大型車など、坂道発進の頻度が高い車両にとっても欠かせない機能部品です。